鼓膜切開術
鼓膜に小さな切開を加えて中耳にたまった膿(うみ)や貯留液を排出する手術です。中耳炎が薬でよくならない場合や、非常に強い中耳炎を起こしているときに行います。手術・処置用の顕微鏡を使用します。局所麻酔後、鼓膜の安全な部位に小さな穴をあけて、中耳にたまっているものを特殊な吸引管で吸います。切開・吸引自体は5分前後で終わります。当院では、鼓膜の切開に際して、使い捨ての金属製切開器具か、レーザーを使用します。どちらを使用した方がよいか、病状や年齢によって慎重に決定します。術後は、耳の痛みや違和感がでることがありますが、薬で対処可能です。シャワーは当日から可能で、入浴も翌日から可能ですが、耳に水が入るようなことは1週間は避けていただきます(プールについては、個別にご相談となります)。鼓膜は再生力の強い組織なので、あけた穴はほとんどの場合3日~7日間で自然にふさがります。ごくまれに、もともとの病状や体質によって、ふさがりにくい場合がありますが、処置を行うことで通常ふさがります。